2026年度税制改正に関する提言の申し入れ
12月2日、公明党は、自民党に対し、2026年度税制改正に関する提言を申し入れました。物価高が続く中で、家計や子育て世帯、中小企業の現場が抱える負担を少しでも軽くし、安心して暮らせる環境を整えていくことが大きなねらいです。
今回の提言は、幅広い業界団体から要望を丁寧に聞き取り、内容を精査したうえでまとめました。中心にある考え方は、「中小企業のためになる税制」「子育てをしっかり応援できる税制」「庶民の暮らしを守る税制」という3つの視点です。
1. 物価高に合わせて、負担が増えにくい仕組みへ
提言の大きな柱の一つが、物価高に対応した税制の見直しです。
所得税の基礎控除などについて、物価上昇に応じて見直す「物価スライド制」の導入を要望しています。
また、年金額が物価に応じて増えたことで、住民税の非課税世帯から外れてしまい、結果的に負担が増えるケースも指摘されています。こうした状況を踏まえ、住民税の非課税限度額の引き上げも求めています。
2. 子育て支援は「0歳から高校生まで切れ目なく」
子育て世帯への支援としては、0歳から高校生年代まで一貫して支えられる扶養控除の仕組みを整えることを提案しています。
具体的には、
- 年少扶養控除(15歳以下)の復活
- 高校生世代(16~18歳)の扶養控除の継続
- これらを含めた新たな枠組みとして、仮称 「児童扶養控除」 の創設
などが盛り込まれています。家庭の教育費・養育費の負担が増えやすい時期を、制度としてしっかり支える狙いがあります。
3. 働き控えを生まない環境づくり
提言では、働き控えにつながりやすいとされる企業の配偶者手当にも触れています。
支給対象の拡大に向けて、被扶養配偶者の年収要件を123万円から引き上げることを求めました。働きたい人が安心して働ける環境づくりを進める観点です。
4. 減税・支援メニューの拡充と、中小企業の後押し
生活面の負担軽減としては、次のような項目が挙げられています。
- 奨学金減税の創設
- 住宅ローン減税の延長・拡充(既存住宅への支援強化も含む)
- 自動車ユーザー減税
- インボイス制度の2割特例・8割特例の延長
さらに中小企業支援として、
- 賃上げ促進税制の維持・拡充
- 研究開発税制の拡充・延長
- 事業承継制度の恒久化
なども要請しています。現場の賃上げや投資を後押しし、地域経済を支える狙いです。
まとめ:物価高の時代に「やさしい税制」へ
今回の提言は、物価高の影響を受けやすい家計への配慮と、子育て支援の充実、そして中小企業の賃上げ・投資を支える制度づくりを重視した内容です。
暮らしの安心につながる税制となるよう、議論を深めてまいります。

