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補助金による税の集中回避
中小企業庁が全国通知
中小企業庁は8月23日、設備投資を行うものづくり中小企業に対する国の補助金について、企業の税負担の集中を回避する「圧縮記帳」という処理ができることを全国に改めて通知した。これは、公明党の杉久武参院議員が中小企業庁に周知徹底を求めていたもの。
圧縮記帳とは、例えば企業が1500万円の工作機械を購入し、1000万円の補助金を受けた場合、1500万円から補助金額1000万円を差し引いた500万円を設備として記帳。法人税は500万円を機械の使用期間10年に案分した上で課税されるため、一時に集中する負担を回避することができる仕組みだ。逆に圧縮記帳できなければ、1000万円の補助金額も収益として記帳され、単年度に実効税率約38%分の法人税を納めることになるという。
杉氏は今夏の参院選後、大阪市内にあるメッキ加工の中小企業「株式会社コダマ」を視察。その際、同社の平井益子社長から「ものづくり補助金に関する地元説明会で、担当者から“圧縮記帳は難しい”との話があった。以前の同じ趣旨の補助金の時は圧縮記帳が認められたのに、どうして今回はだめなのか」との質問を受けた。
杉氏は早速、国税庁課税部法人課税課に確認したところ、「全く問題なく圧縮記帳できる」との回答を得た。
その上で、杉氏は2009年度補正予算事業「ものづくり補助金」の執行時点で既に、「圧縮記帳が認められる」との統一見解が出ていることを中小企業庁に改めて指摘し、同庁に「現場の説明会で統一見解と違った話が出るのは、情報の伝達に問題がある」と、周知徹底を求めていた。
杉氏に相談を寄せた平井社長は「すぐに動いてくれて本当に助かった」と感謝していた。
公明新聞:2013年9月29日(日)付
https://www.komei.or.jp/news/detail/20130929_12312